東北2泊3日の旅の最終目的地は宮城県石巻(いしのまき)。松島海岸からJR仙石線で石巻まで45分。石ノ森章太郎のキャラクターが描かれたラッピング電車に揺られて、海を見ながら石巻へ。電車の中で本を読もうと思っていたが、海や田園風景が美しかったので車窓を眺めているうちに石巻駅に到着。
「ようこそ石巻へ」
初めて来た石巻。漫画家、石ノ森章太郎のキャラクターがお出向かえ。
世界三大漁場の金華山沖を背景に、水産都市として栄えた石巻。2011年の東日本大震災で津波により甚大な被害を受けたが、復興して良かった。
JR石巻駅
故・石ノ森章太郎の作品を展示するマンガミュージアム『石ノ森萬画館』があるため、石巻駅周辺の街中はキャラクターが点在している。
石巻市役所前にいた仮面ライダーV3の人形。石巻には仮面ライダーやサイボーグ戦士たちなど、石ノ森作品のキャラクターたちがいっぱい。
石巻でまず向かったのが、石巻こけしの「Tree Tree Ishinomaki」
石巻駅近く立町大通り商店街にある「林屋呉服店」内にアトリエを構え、呉服屋で働きながら石巻こけしを作っているのが、クリエーターの林貴俊さん。Instagramでフォローしている林さんにお会することができ、奥様にも温かくおもてなしをしていただき嬉しかった。
石巻こけしはTree Tree IshinomakiのOnline Shopでも販売しているが、手仕事のため数量が少なくスタンダードなトリコロールカラーのこけしはいつもSold out。
今回、このこけしを買うために、思い切って東京から石巻まで来たので大満足。
せっかく石巻まで来たので、震災の爪痕を残す門脇小学校を見学しようとタクシーで向かった。東京から来たと言うとタクシーのドライバーさんが、この場所まで津波が来たと言い、津波の状況を説明してくれた。いったん車を止め、がれきに埋もれたこの場所の写真を見せてくれた。この正面が海岸だ。
東北沿岸部の津波のニュース映像は人生で一番ショックだったし、未だに脳裏に焼き付いている。東京でも震度5強の地震を体験し、電車が止まって歩いて帰宅した。翌日から毎日のように鳴る地震警報のアラームさえ怖かった。
石巻市震災遺構門脇小学校 Kadonowaki Elementary School Ruins
9:00~17:00(最終⼊館16:00) ※冬季(11⽉〜1⽉)最終⼊館15:30
石巻駅前よりタクシーで約15分
門脇小学校は津波火災による被災状況を残す全国で唯一の震災遺構として、訓練の重要性や避難の在り方を考えてもらうとともに、生命の尊さや自然と共に生きることの意味を改めて知ることの大切さを伝えている。
震災後の津波と津波火災の写真 2011年
本校舎1~3階(震災遺構)
本校舎の教室は津波と津波火災の状況を残して、外部通路から見学できる。
小学校の教室
火災で焼けた机と椅子、抜け落ちた天井材
津波の時、上階へ逃げる「垂直避難」にも危険があるという事を伝えている。
2011/03/11/14:46 東北地方太平洋沖地震 発生
展示室は美術館のようなスペース。
石巻市の震災遺構展示担当者である学芸員が、体験者の記憶を言葉(詩)と絵で表現している。震災からの学びを自身の人生に重ね考えてもらう空間。
報道だけでは伝えきれない体験者の声。全て読んでいると涙があふれてきた。
津波の高さは1m数十cmだったが、津波火災が発生し、校舎全体が炎に包まれた。学校にいた児童は教員たちの誘導で裏山へと非難し、全員が無事だった。門脇小学校では数年前から津波に対する避難訓練を行っていたため、逃げることができたそうだ。
この奥は海。津波で被害を受けた住宅地は整備され復興祈念公園になっている。犠牲になったすべての生命に対する追悼と鎮魂の場。
体育館には被災車両や応急仮設住宅の展示もある。
被災樹木の銀杏の木
火災で黒く焼け焦げた樹木はそのままの形で残されていたが、時が経ちその根元からは新しい生命が生まれ、今なお力強く成長している。黄色く紅葉した銀杏の木がとても印象的だった。
石巻市震災遺構門脇小学校は、 東日本大震災の記憶と教訓を後世に伝える拠点となっている。日本に住んでいる人は訪れるべき場所だと思った。
門脇小学校からタクシーを呼んで石ノ森萬画館まで移動。
石ノ森萬画館 (入館料:大人900円)
著名な漫画家石ノ森章太郎の作品をテーマにした実物大のフィギュア、アニメを展示する博物館。昭和生まれの私には懐かしいキャラクターが沢山あり、大人でも楽しめる。
昭和の初代仮面ライダーから平成仮面ライダーまで、歴代仮面ライダーのマスク並ぶ人気コーナー。好きな(知っている)仮面ライダーで年齢がばれるw
私は女だけど特撮ヒーローは大好きだったし、シン仮面ライダーも映画館で観た。
人造人間キカイダー
私はキャラクターミュージアムに行ったら必ずカフェに入る。お腹が空いていたので、年甲斐もなくロボコンのチキンライスを食べた。
ミュージアムカフェでサイボーグ009こけし(石巻こけし)を発見。
「いしのまき元気いちば」
1階は水産加工品や東北土産、2Fにはフードコートもある。宮城県のお土産とお弁当を買って仙台まで向かった。『タコまみれ飯』の値段は割引で380円位。帰りの新幹線で『タコまみれ飯』を食べたが、生姜入りの炊き込みご飯にタコがこれでもかとのっていて美味しかった。
石巻にはもっと美味しい海鮮物、見どころもあるのだが、東京に帰るため数時間の滞在だった。
最後に駅に向かう途中の「石巻マンガロード」
マンホールアートはロボコン
宮城県と言えば松島基地のブルーインパルス。
お土産は三陸銘菓「カモメの玉子」と喜久水庵の仙台ひとくちずんだ餅。そして、いつものように仙台駅コンコースで、ずんだ茶寮のずんだシェイクを飲んで新幹線に乗り込む。
今回の山形、宮城の温泉こけし旅で我が家にお迎えしたコケシ達。こけしの世界もDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)、体形も肌の色もデザインも実に多様性。
こけしの総額は新幹線の東京⇔仙台往復分位だった。
1日目 山形蔵王温泉
蔵王温泉は強酸性の硫黄泉。翌日も硫黄の匂いが残っていたほど強い温泉。帰宅後も肌の調子が良く、草津温泉に次いでお気に入りの温泉地となった。
2日目 松島
京都にも引けをとらない紅葉が美しい円通院と国宝の瑞巌寺。そして、焼き牡蛎が思った以上に美味しかった松島。
蔵王温泉の泉質がかなり良かったので今度は真冬の樹氷の頃にも行ってみたい。来年も東北旅行は続きそうだ。