混浴に挑戦、乳頭温泉郷♨で露天風呂めぐり<Nyuto Onsen>

温泉好きなら一度は訪れたい東北の秘湯、乳頭温泉郷(Nyuto Hot springs)。雪景色を見ながら露天温泉に入りたくて、東京から秋田の秘湯までやって来た。
風情のある湯宿「鶴の湯」本陣に泊まりたかったけれど、冬季の「鶴の湯」は大人気で半年先まで予約が取れないほど人気。幸い乳頭温泉で一番モダンな宿「妙乃湯(Taenoyu)」は4月上旬に1日だけ空室があったので、まだ雪が残る4月上旬に乳頭温泉へ行けることになった。

乳頭温泉「鶴の湯」”Turunoyu” Nyuto Onsen ※写真は鶴の湯公式サイトより

温泉好きになってこの2年間、女一人で東北地方で湯めぐりをしている私。多くの秘湯がそうであるように乳頭温泉も古くからある宿は大抵混浴である。しかも湯浴み着禁止で女性にはハードルが高い。混浴が心配だったので、今回は友達を誘って乳頭温泉で湯めぐりすることにした。

東京駅、朝7:32発の秋田新幹線こまち5号で秋田県の田沢湖駅で下車。JR東京駅から田沢湖駅まではおよそ2時間50分。途中の盛岡駅では東北新幹線「はやぶさ」と「こまち」の「連結」「切り離し」の様子を見ることが出来る、これは盛岡駅だけ。

田沢湖駅から乳頭温泉郷までは羽後交通バスで約50分。JR田沢湖駅周辺は特に何もなく、すぐに乳頭温泉郷行のバスに乗った。新幹線の到着に合わせてバスは出発する。

せっかくなので季節外れの田沢湖畔を見てレストハウスでお昼を食べることにした。たつこ像まで行くにはその後の田沢湖周遊バスに乗る必要があるが、時間がないので周遊はパスした。

季節外れの冬の田沢湖レストハウス前。金色のたつこ像は対岸にあるようだ。田沢湖は日本一深い湖で南国の海のように水が透明でとても綺麗。お天気も快晴。

この日、レストハウスは休業で観光客はほぼいなかった。冬はボート乗り場も休業中。次のバスまで約2時間、時間をつぶすのが難しい。一人旅でなく良かった。

昭和の面影を残す色褪せた、たつこ像の顔はめパネル。ご当地顔ハメパネル好きの私はもちろん撮影した。お土産屋には特に欲しい物はなく、私の好きなベタなご当地マグネットもない。

秋田の名産、稲庭うどん(生麺)を食べた。

お土産屋の裏にいる秋田犬。おとなしくて毛並みもよく、かわいい。

田沢湖レストハウスからバスで乳頭温泉郷へ向かう。標高約700m、このような雪景色が続く。近くにはスキー場もあった。

田沢湖畔からバスで山を登ってきて約40分、乳頭温泉の「妙乃湯」に到着。バス停の目の前だ。先達川の渓流が美しく、滝の音が聞こえる。

「妙乃湯」は乳頭温泉郷の中で一番きれいで女性に人気のおもてなしの宿。
立ち寄り湯10:30-15:00(受付14:00迄)1,000円

ラウンジ兼、夕食会場。

ラウンジでウェルカムドリンクの抹茶を頂きながら、チェックイン。

乳頭温泉郷はブナの原生林が生い茂る山間に趣ある7軒の湯宿が点在している。宿泊者限定の「湯めぐり帖」(2,500円)をゲットして、バスタオルを借りて、さっそく湯めぐりスタート。
湯めぐり帖は組合加入7軒(鶴の湯・妙乃湯・蟹場・大釜・孫六・黒湯・休暇村)の入浴が可能でシャトルバスの湯めぐり号の乗車券付き。(1年間有効)
黒湯、孫六は冬季休業中、休暇村はリニューアル工事中で休業中だった。

鶴の湯行きのバスの時間まで待ち時間が50分近くあったので、ひとまず妙乃湯から歩いて7分の蟹場温泉(Kaniba)へ行った。宿泊施設としては、他の施設に比べて素朴な印象があるが、ここの混浴露天風呂はとても開放的なのでぜひ日帰りで訪れてほしい。

蟹場温泉には女性専用露天風呂があるが小さい。広い露天風呂は混浴で、湯が透明なのにタオルを巻いての入浴禁止。ここの混浴は女性にはかなりハードルが高い。
女性用露天風呂で会った女性に混浴風呂の状況を聞いたら、「ちょうど誰もいなかった。タオルを岩場に置いて湯から上がる時にタオルで隠せばなんとかなるかも。」との事。蟹場温泉の露天風呂は入りたかったので、外の混浴風呂に様子を見に行くことにした。

蟹場温泉 Kaniba Onsen 立寄り湯 9:00~16:00 800円 ※これは混浴
泉質:重曹炭酸水素泉

混浴風呂は宿舎から50mほど離れたブナ林に囲まれた川沿いにあり、季節の移ろいを感じながら温泉を楽しめる。4月上旬だがまだ雪が少し残っていて秘湯らしい雰囲気だ。幸い誰もいなかったので混浴風呂に入ることにした。もちろん脱衣場は男女別。友人は混浴でも臆せず、さっさと服を脱いでいたので心強い。

脱衣場から出て露天風呂に入ろうとすると若い男性が一人で入浴しているではないか。どうやら脱衣場にいたらしい。湯舟ギリギリまでバスタオルで隠して入浴。湯は透明でタオル巻き禁止なので、もし一人だったら入浴を断念していただろう。男性は離れた所にいたので顔以外は見えずにすんだ。これ以上、男性が来たらあがろう。

先に男性がお風呂から上がって誰もいなくなった。大型旅館の露天風呂と違って、お風呂の周りに目隠しの囲いがなく開放的!私は目隠しの塀のある露天風呂は嫌だ。
思い切って混浴風呂に来て良かった。はるばる東京からこんな山奥まで来たのだから、やっぱりその宿で一番いい温泉に入ってこそ、乳頭温泉の魅力が堪能できるというもの。何事も勇気を出して一歩踏み出せば、良い経験になると思う。

やはり東北の露天風呂は山の景色、鳥のさえずり、心地よい風、温泉の天地効果が抜群に良い。脳が喜んでいるのが分かる。この日は平年より暖かく日中13℃あったので、自然の中で入る露天風呂が特に気持ち良かった。

蟹場温泉からシャトルバスに乗って、念願の鶴の湯へ。乳頭温泉郷の中で鶴の湯だけ少し離れていて、バスで約20分かかる。

バスの上に木の露天風呂をのせたキュートなシャトルバス”湯めぐり号”

乳頭温泉 鶴の湯  Nyuto Onsen Turunoyu
立寄り湯 9:00~15:00 700円 ※日帰り入浴 月曜日露天風呂不可

名湯揃いの東北のなかでもファンが多いのが鶴の湯。バスを降りると、木造の本陣があり、まるで江戸時代にタイムスリップしたようだ。雪じゃだいぶ解けていた。

乳頭温泉郷の中で最も古い歴史を持ち、秋田藩主の湯治場だった由緒ある温泉。今なお警護の武士が詰めた茅葺き屋根の長屋「本陣」が残っていて客室として使用されている。本陣の部屋には囲炉裏があり、普通の旅館では味わえない雰囲気が漂っている。雪が積もると、かまくらもできるので真冬に宿泊したいが、最も予約の取りにくい温泉宿だそうだ。近年は外国人にも人気で鶴の湯でも妙乃湯でも数名見かけた。

日帰り入浴は受付で湯めぐり帖にスタンプを押してもらう。

鶴の湯はお土産も少し売っていて、この暖簾や、鶴の湯の名前の入った手ぬぐい、タオルも販売している。お土産に鶴の湯のタオルを購入した。

鶴の湯のシンボルである乳白色の混浴露天風呂へGo!ここから先は混浴風呂が丸見えなので撮影禁止。男性客が複数入っているのが見えた。

女性専用の内湯。ここからバスタオルで体を隠して外の混浴露天風呂へ。若い外国人の女性が一人で来ていたので3人で一緒に混浴風呂へ入った。若い女性はアメリカから1人で来ていて、秋田に宿泊してレンタカーで乳頭温泉まで来たという。日本語を話せないのにこんな田舎まで車で来て混浴風呂に入るとはすごいアクティブだなぁ。

乳頭温泉「鶴の湯」Nyuto Onsen ‘Turunoyu’ ※写真は秋田県のポスターより

鶴の湯の混浴は女性専用の入口があり、脱衣場から囲いのある岩の影に隠れてお湯に入れるので女性でも入りやすい。お湯に浸かってしまえば乳白色なので、男性がいたとしても体が透けて見える心配はなく、湯船内でも自由に動き回ることができる。ただし男性が入ってくる時に男性の体が結構見えてしまうので向きには気をつけよう。混浴が初めてという人は、まず鶴の湯から試してみると良いかも。

冬の鶴の湯 ※写真は秋田コンベンション協会より
泉質:含硫黄・ナトリウム・カルシウム塩化物・炭酸水素泉、他3種

皮脂や角質を落とす美肌の湯。硫黄成分は保湿保温効果も高い。湯上りがお肌しっとりするが、硫黄の匂いが一日中残る。温度はちょうど良くて、15分位は楽に入っていられる感じ。外からも丸見えで、日中は常に人が入ってくるので女性一人でも危険なことは全くない。

鶴の湯には女性専用露天風呂もあり、こちらは混浴より小さいけど景色は良い。

男女別の内湯もあり、泉質が異なる。茅葺屋根の建物や原生林に囲まれた露天風呂など、ノスタルジックな鶴の湯は古き良き日本らしさを感じる場所だった。

「妙乃湯」に戻ってきてお部屋へ。洗面・トイレ付。クレンジングなどのアメニティはお部屋にある。ビールは冷蔵庫以外にホテルの自動販売機にも売っている。

お部屋の窓から川と滝が見える。浴衣に着替えて夕食前に温泉へ。

妙乃湯の混浴露天風呂(タオルを巻いて入浴OK)

露天風呂は写真で見るより広くて良かった。軒先を流れる先達川の渓流が美しくせせらぎを聞きながらの露天風呂は最高! 泉質の異なる金の湯と銀の湯の2種類の源泉あり。
泉質:硫酸塩泉・単純泉

妙乃湯公式サイト
立寄り湯10:30-15:00(受付14:00迄)1,000円
混浴露天風呂17:00~18:00まで女性専用。他のお風呂は20:00に男女入れ替え

景色が良いので、宿泊していない人もぜひ日帰り入浴時間に混浴風呂に入ってほしい。
日帰り入浴 火曜日休み(祝日変更あり)

2名様までは川が見えるカウンター席で食事。夜は川もほのかにライトアップされている。

妙乃湯は器にこだわりあってどれも素敵だった。2人とも違う食器で、日本酒のとっくりも素敵。乳頭温泉の他の宿の食事はそぼくな田舎料理だが、妙乃湯はお食事もよく、女性客に人気なのも頷ける。

最近行った東北の温泉旅館(会津若松、宮城、山形)は日本酒の種類がかなり多かったのだが、乳頭温泉(秋田県)は日本酒の種類は少なかった。私は日本酒好きではないので友人の日本酒を少しもらっただけだが。食事はヒラメの薄造り、天ぷら、稲庭うどん、など。

夕食のメインは秋田名物 きりたんぽ鍋、またはA5ランク 秋田牛のしゃぶしゃぶ。予約時に選べる。しゃぶしゃぶにしたけど、牛がすごく柔らかくて美味しかった。

秋田と言えばいぶりがっこ(漬物の燻製)とあきたこまち(お米)。きのこの煮汁も美味しい。お部屋にもお菓子の代わりに、クリームチーズがのったいぶりがっこがあり、すごく美味しかった。

最後のデザートは桜餅といちご

夕食後はお風呂が入れ替わって、先ほどとは違うお風呂へ。内風呂は2つの源泉があり、半露天で寝湯もあって良かった。温度も熱すぎずちょうどよい。お風呂の後は、ブナ林の湧き水で水分補給。※温泉に入る前もお水や緑茶で水分補給しよう。

朝6時半頃、混浴露天風呂をのぞいたら誰もいなかったので、バスタオルを巻いて入った。
妙乃湯の混浴は脱衣場にバスタオルがあり、タオルを巻いて混浴風呂に入浴できるので良い。昨日から3度目の混浴風呂で混浴には慣れてしまった。しばらくすると男性が一人で入ってきたが、私が入浴していたので慌てて、男湯に引き返していった。(大体男性の方が逃げる)
日帰り入浴時間がスタートする10時半になると、混浴露天風呂には男性が数名いたので露天に入るのを断念。

朝食前に予約していた貸切露天風呂へ。宿泊者は30分無料。
貸切り風呂も混浴と同じような景色が見られる。妙乃湯は7つのお風呂が楽しめて、温泉三昧だった。脱衣場も清潔でバスタオルやシャワーキャップ、歯ブラシも置いてある。(日帰り入浴時間時間にはなし)

朝食は昨晩と違うラウンジで和食。

毎回、食器が素敵。妙乃湯はサービス、露天風呂も良く、乳頭温泉郷の宿では女性におすすめ。実際、女性宿泊客の方が多かった。

大釜温泉 Ogamaonsen
妙の湯の隣の大釜温泉へ。秋田県の木造校舎を移築したユニークな宿。建物内部も田舎のノスタルジックな雰囲気が漂う。

泉質:酸性含砒素ナトリウム塩化物硫酸塩泉

大釜温泉はお風呂が内風呂、露天が1つずつしかないからか、午前中でも誰もいなくて貸切り状態だった。ここの露天風呂と内湯はあまり特徴ないかな。昭和な感じ。入浴後はしばらく体から鉄のような匂いが取れなかった。

「湯めぐり帖」は1年間有効なので、今回休業で入れなかった温泉3か所は秋に来たいな。乳頭温泉郷は紅葉もきれい。

休業中以外の温泉は全て入ったので、お昼のバスに乗り、JR田沢湖駅から新幹線で岩手県の盛岡に立ち寄ることにした。バスは1時間に1本。12時台はなし。

最後に田沢湖駅前のお店で、きりたんぽ鍋定食。きりたんぽは、米で練ったおもちのような食べ物。特に美味しいわけではないが、やはりその土地の郷土料理、名物は食べたいもの。

田沢湖駅にはあまり秋田のお土産がなく、いぶりがっこだけ買った。

秋田新幹線で田沢湖駅から盛岡駅まで40分。新幹線以外のJRローカル線は午後はなし。

田沢湖から盛岡駅に着くと、都会だ!っと思ってしまう。盛岡と言えばわんこそば。
盛岡編につづく…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です